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SGアートポートフォリオ①

こんにちは。正則学園高校芸術部顧問の教員Hです。

前々から生徒のアートポートフォリオを作りたいと思っていましたが、「そうじゃん、noteのマガジンで作ればいいんじゃん」と気付いたのが数カ月前。だいぶ時間は経ちましたが、11月19日に実施した本校の文化部祭に出品した作品から、不定期ですが順次アップしていきたいと思います。


書道部2年・早田蓮ノ助

①臨・米芾『蜀素帖』35×68センチ、2022年、軸装、令和4年度文化部祭出品作

【釈文】青松勁挺姿。凌霄恥屈盤。(せいしょうけいていのすがた、りょうしょうくつばんをはず)

【大意】青い松が力強く伸び切った姿は、わだかまるのを恥じるかのように空を凌いでいる。

【作品解説】
米芾(べいふつ)字は元章
生没年:1051~1107
 米芾は中国の北宋時代の文学者、書画家。書においては蔡襄・蘇軾・黄庭堅とともに宋の四大家と称される。
 『蜀素帖』は1088年、38歳の作。蜀、現在の四川省で織られた素(絹)の巻物に書いてあるのでこの名がある。内容は米芾自作の詩8首71行。真跡は台北・国立故宮博物院に収蔵されている。27.8×270.8cm。

 早田の作品「臨・蜀素帖」は、詩の一節10字を、およそ半年の練習期間をかけて臨書したもの。半紙での臨書を繰り返し、夏ごろから半切1/2の作品としてまとめ始めた。臨書とは、書道の分野で価値を認められた古典作品を手本として練習すること。1年次から書き続けた行書作品だが、筆圧の変化の特訓として2年次初め頃からこの作品に取り組み始めた。以前よりも線の抑揚、強さが表現できるようになった。米芾独特の字形の模倣、多字数をまとめること、墨量のコントロールなど、まだまだ課題は残るが、書いてきた中でも線質が強く書けたものを軸形式で表具した。

【指導者コメント】
 過去の早田の作品と比べると、圧倒的に線質は強くなっている。行書と並行して隷書を学ばせたことで、蔵鋒(筆の先が線の中心を通る書き方のこと)を修得したことも要因と言えるかもしれない。引き続き、行書にこだわらず多くの作品に触れ、多彩な線の表現技法を身につけることがこの作者(生徒)の課題とも言える。



本校ホームページで公募展の結果を紹介してもらいました。出品した作品が賞状に印刷される珍しい展覧会です。この展覧会にも「臨・蜀素帖」を半紙で出品しました。

今後ともご声援のほどよろしくお願いいたします。


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