見出し画像

謎のクラブ活動 【STEAM & HISTORY 同好会】 が、120%(かどうかはわからないけど、ある程度)わかる記事

どうもこんにちは、毎度おなじみド文系な世界史教員ABCです。

今回は、私ABCが顧問をしている「STEAM & HISTORY 同好会」についてご紹介させていただきたいと思います。

通称は「STEAM」(スティーム)❣ よろしくね ❣

それにしても、名前だけ聞いても、何をする同好会なのかさっぱりわからないですよね💦

うーん、そうですね・・・。
ひとことで言うと、「学びを楽しもう」という同好会です。

誤解しないでほしいのは、「勉強しよう」という同好会ではないということです。

どちらかというと、「研究しよう」、いや、むしろ「探究活動を楽しもう」という同好会です

画像1

👆こんな同好会として始まりました(+_+)

・・・って、まだ伝わらないですよね。

おっと、ブラウザバックで戻るにはまだ早いですよ💦
せっかくお越しいただいたのですから、お茶でも飲みながら、是非最後までお付き合いくださいね😃💦

うーむ、👆のポスター、どうにもカタいのかなー? ABC的には渋くて気に入ってるんですけどねー。
そこで、昨年度からこんなふうに👇ポスターを一新❣

画像4

「えー、学校なのにそんなんでいいのー?」的な、ぶっ飛んでるフレーズを入れたかったんですw

あと、電車の中吊り広告で見るような、ポエミーで自己陶酔的な謳い文句をwww

「そんなんでいいのー?」という問いに対しては、そんなんでいいんです!(キリッ

 STEAM & HISTORY 同好会が大事にしているのは、

「お勉強」と「学び」は、似ているようで違うもの。
アソビの中にこそ、マナビの本質がある。 

👆 ココ!これなんですよ!

「遊ぶように学ぶ」、「遊びながら学ぶ」、むしろ、「遊んでいたらいつの間にか学びになっていた」。これが本同好会の理想です。

でも、これでもまだ、具体的に何をする同好会なのかはわかりませんよね💦
ということで、ここからはちゃんとご紹介いたします🙇💦


科学史・数学史をやりたい

もともとは、物理のスー先生と世界史のABCが、数年前から雑談として話していた、「科学史って面白いよね」という話にすぎないものでした。

理科の先生は科学史はひと通り知ってますし、ABCはドが付く文系ですが、大学院時代にはなぜか科学史・数学史のゼミに所属していたので、そこで関心が一致したワケですね!

ところで、科学史とか数学史とかっていうと、科学的な理論の変遷とか数学の公式がどうしたとかの話かと思いませんか?

ABCと同じくド文系の皆さん、


ご 安 心 く だ さ い


私たちが盛り上がっていたのは、そういう話ではありません。
ていうか、そういう話だったら、ABCはついていけませんwww

私たちの関心は、科学の発展の背後にある時代性や地域性、文化、社会情勢、経済状況、そしてそれらの要因が、どのように科学者たちの思考や行動を規定していたか、という方にあるのです。

最もわかりやすい例として、私たちがよく話題にするのが👇です。

👆 今では常識とされている「地動説」を唱えたガリレオ・ガリレイが、宗教裁判にかけられて有罪とされたことは、歴史上の「科学と宗教の対立」をよく表しています。

同じ17世紀の哲学者デカルトは、思索の出発点として、全てを疑ってみました(方法的懐疑)。しかし、全てを疑ってみている自分自身の意識、そして存在は、疑いようがなかったのです。彼のこの態度は、まさに宗教から一歩距離を置いた、科学的探究心の現れでした。
しかしその彼も、自らの存在を確認した後に、真っ先に行ったことは、「神の存在証明」でした。

ヨーロッパにおける17世紀がどんな時代だったのか(中世からルネサンスを経て、人間の理性が重視され始めたものの、未だ「神」を克服できていないということ)が、なんとなく見えてきますよね。


そんなこんなで、面白がっているうちに、「じゃあ科学史部作るかw」という冗談半分な話になり、ついには実現してしまったというわけなのです。

でもそれなら、「科学史部」ないし「科学史同好会」でいいんじゃねーの?
なんなの STEAM & HISTORY って。てな話ですよね。


STEAM教育

って聞いたことありますでしょうか。

もともとはアメリカが科学技術分野での競争力を高めるために推進し始めた教育方針で、当初は cience = 科学、echnology = 技術、ngineering = 工学、athematics = 数学 の4分野を重視する STEM(ステム)教育として始まったんだそうです。

しかしあまりにも理系分野に偏っているからなのか、後に感性や情操にも関わりそうな rt = 芸術 が加えられることも多くなってきて、その場合はSTEAM(スティーム)教育と呼ばれる、ということなのですね。

やれAIだとか、やれIoTだとか、さらにはプログラミング教育だとかが急速に身近な存在となりつつある昨今なので、これからの時代を見据えて、日本でもにわかに注目度が高まってきているそうです。

では私たちの同好会も、科学とか数学とか、プログラミングとかをやるのか? というと、必ずしもそうではありません。

私たちの同好会には、「& HISTORY」がついています。

もともと「科学史おもしれー!」から始まった同好会です。
しかし、「人類の営み」とか「文明の発展」とかってことを考えると、私たちの検討対象は、なにも科学史だけでなくてもいいよね、となったわけです。

画像5

👆の画像にもあるとおり、STEAMの歴史を紐解くことは、人間の文化や文明の発展史を紐解くことにほかならないように思うからです。


で、どんなことやってるの?

ということで、始まりこそ半ば教員の趣味で始まった私たちの同好会でしたが、ありがたいことに「一緒に楽しんでやろうじゃねーか」という生徒が何名か入部してくれまして、無理をせずにまったりと「学び」を楽しむ場として活動しております。

活動にあたり、顧問としてここには拘りたい、というポイントがあります。
それは、自分たちの手で何かを「作り」、「表現する」ということです。

作るものは、レジュメでもポスターでも、歴史上の何かを再現ないしわかりやすくした模型でもいいし、何なら、理念から大きく外れてさえいなければ、小説でも漫画でもゲームでもいい。

何かを作るときの思考のプロセスを楽しんでもらいたいし、自らの成果を何らかの形に表現することで、「学び」を実感し、確かなものとしてほしい
それが顧問の願いだったりします。

ということで(?)
私たちが最初に取り組んだテーマは、「空への憧れ」でした。
人間は古代から、「空を飛んでみたい」と願い続けてきました。そしてそれを実現するためのアイデアを、様々な形で「表現」してきました。

その歴史を探究した私たちは、その成果をポスターセッションという形で「表現」しました。

画像2

👆 真ん中においてあるのは、レオナルド・ダ・ヴィンチの「ヘリコプター」を再現した模型(キットですが、皆で組み立てました)と、「飛び出す絵本」の「オーニソプター(羽ばたき機)」です。

ポスターは古い時代から、

古代(ギリシャ神話のイカロス)➡ 蝋で固めた鳥の羽
中世イングランドとイスラーム世界 ➡ 人工の翼を背負って飛行実験
ルネサンス(レオナルド・ダ・ヴィンチ)➡ 手稿に見られるスケッチ
18世紀(フランスのモンゴルフィエ兄弟)➡ 気球による有人飛行
20世紀近代航空機

古代には、人間が空を飛ぶなどというのは、「そうだといいのにな」ぐらいのものでしかなかったかもしれません。それが中世になると、なんとかして飛ぼうと工夫をし始め、ルネサンス期には科学的な考察が深められ、近代以降にはついに人間は空を飛ぶことができるようになりました。

このように歴史を紐解いてみると、人間の科学や技術が着実に発展を遂げてきたことの凄さを感じずにはいられません。そして私たちは、この次の企画でも、一味違った「形」でその実感を得ることができたのです。


プレイフルストリートへの出展

2020年1月には、pupaでもお世話になっているミテモ株式会社様の内部で設立された勉強会「ミテラボ」とコラボし、地元神田の企業が一堂に会した学びの祭典「プレイフルストリート」に出展しました!

このときのテーマは、「印刷技術の歴史」!

大元の関心は、「活版印刷機が面白いぞ!!」というものでした。

活版印刷機とは、アジア伝来の活字印刷術を元に、15世紀(ルネサンス期)にドイツのグーテンベルクがワイン製造用のブドウ圧搾機にヒントを得て考案したものです。

グーテンベルグ印刷機

👆 の写真は「天草方言集 第九版 鶴田功 著」より。

これにより、同じ文章が大量に印刷できるようになっただけでなく、活字を組み替えれば手早く違う文章を作って印刷することも可能となりました。

時は折しも宗教改革の時代。腐敗した教会の教えではなく、イエス・キリストの教えに立ち返るようにと、聖書が大量に印刷されました。
そしてこのことに危機感を募らせたカトリック教会は、イエズス会を組織。フランシスコ・ザビエルを始めとした会員らが海外布教へと乗り出したことで、大航海時代もまた、加速していったのです。

活版印刷術は、まさに「情報」が力を持つ時代を到来させたのです。このことが世界の歴史に与えた影響は、計り知れません。

この面白すぎる活版印刷機を、是非自分たちで作ってみたいと思っていたところで、「一緒に何か面白いことをやりましょう」と声をかけてくださったのが、「ミテラボ」さんでした。

そして始まったミテラボさんとの打ち合わせで、「印刷の歴史を来場者が追体験できるようなイベントにしましょう」という話でまとまりました。

ここから、ミテラボさんは主にイベント自体のプロデュース(?)を、STEAMは活版印刷機製作を、という分業体制をとりました。

STEAMではまず、活版印刷機が圧搾機にヒントを得たものであることから、プレス機を探しました。そして、「メルカリ」で見つけた、昭和のカバン職人さんが使っていたらしいというプレス機を購入。

画像6

👆 これがそのプレス機。既に印刷の調整に入ってますw


そして迎えたイベント当日。STEAM ✕ ミテラボのブースでは、

写本時代活版印刷時代プリンタ時代

という三つの時代を、来場者に追体験してもらいました。

しかも、1時間ごとに時代が進むので、1時間に一回、計3回来ないとコンプリートできないという演出付きですw
「ローマは一日にしてならず」ってやつですねw

画像7

印刷術のなかった時代は、「写本」といって、一文字ずつ手で書き写すしかありませんでした。大変な手間です。この手間を考えると、「活版印刷機」の登場がいかに画期的なことだったかがわかるでしょう。

そして現代の印刷技術が、「プリンター」です。ボタンやマウスをポチッと押すだけで、勝手に印刷してくれます。現代人にとっては当たり前のようですけど、当たり前じゃないんだなって、その便利さにあらためて気が付きますよね❣

検閲官

そんな楽しい「STEAM ✕ ミテラボ」ブースだったのですが、実はその門前には、👆 こんなこわ~い「検閲官」が!

検閲って、普通は書物の内容に対して行われるのですが、このブースではなんと、検閲されるのは来場者の方!?😱💦

ブースの中に入って印刷技術を体験するには、検閲官と何らかの勝負をして勝たないといけないのです!!(もちろん必ず勝てますw)

この検閲官がまー、ちびっこ達に大人気で。
彼の周りにはいつもちびっこ達が群がってましてね。結果的にものすごい数の親子連れにご来場いただき、印刷術の歴史を楽しんでいただいたのですが、それにしてもいやぁー、検閲官はすごかった

見せ方というか、魅せ方っていうんですかね。
「演出」の持つ底力を見た気がしました。私たちも学ぶところの多いイベントでしたね。


その後とこれから

さて、プレイフルストリートが終わってすぐに、コロナ禍が世界を襲いました。2020年度は、新しく入ってくれた部員らと、ミニ四駆作って遊んだりはしましたが、クラブ活動自体が長らく停止されていたこともあって、今ひとつ「STEAMっぽい活動」ができませんでした。

2019年度の活動にしても、充実した内容ではありましたが、比較的とっつきやすい「技術史」に寄っていた感はありますね。

今現在も依然コロナ禍の真っ只中にあるので、どれぐらいのことができるのか不透明な部分もありますが、何であれば、オンラインでも全く問題なく活動できる同好会ですので!w


そろそろ大元の関心であった科学史や数学史についても、何らかの形にしていきたいですね。

ということで、長々と書いてきましたが、ここまで読んでくださった方、いかがでしたか。

面白そう!と思ってくれた方は、そりゃあもう STEAM しましょう!是非!一緒に!!

よくわかんなかったけど、自分も探究活動を楽しめるなら楽しんでみたいと思った人、マジでよくわかんないけど、とりあえず遊び感覚で何かを掘り下げてみたいという方、まずは気軽に遊びに来てみてください。

今年度の活動は、毎週火曜日と木曜日の放課後を予定しています。

ということで、少しでも興味を持ってくれた人は、是非一緒に、


マナビをアソビ尽くしましょう!


STEAM & HISTORY 同好会でお待ちしています❣

それでは、Au revoir!✋

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!