天の川銀河の中心のブラックホールについて
EHTにて,我々の住むこの天の川銀河の中心にあると思われる超巨大ブラックホールの撮影に成功した。
この写真を見て,何をもってブラックホールなのか。
疑問を持った人はそこそこいるのではないだろうか?
事象の地平線
ブラックホールについて知るためにはEHを理解しなければならない。
Event Horizon 事象の地平線
ブラックホールの中心付近は重力による脱出速度が光速度を越え,ある距離より内側はあらゆる反応が観測できない。
その境界線をEvent Horizon,事象の地平線と呼ぶ。
地球からブラックホールをもし観測することができたならば,事象の地平線よりも内側には「無」が見え,その外側には降着円盤と呼ばれるガスや宇宙塵が観測される。
ガスや宇宙塵はブラックホールを中心に渦を巻くように回転しており,どんどん内側に引き寄せられていく。この途中で温度が高くなり,電磁波を放射する。
EHT
Event Horizon Telescopeは,この降着円盤を観測し,中心が全く見えない黒い影として写されたブラックホールの写真を撮るような世界規模の試みである。
チリにあるアルマ望遠鏡,APEX,スペインにあるIRAM 30m望遠鏡,ハワイにあるジェームズ・クラーク・マクスウェル望遠鏡,サブミリ波干渉計,メキシコにある大型ミリ波望遠鏡,アリゾナにあるサブミリ波望遠鏡,キットピーク 12m望遠鏡,南極にある南極点望遠鏡,グリーンランドにあるグリーンランド望遠鏡,フランスにあるNOEMA観測所の11カ所の電波望遠鏡での観測を合わせる。11カ所の電波望遠鏡の観測を合わせることで,1カ所の電波望遠鏡で観測するよりも非常に高い感度と解像度を実現し,写真を撮ることができた。
いて座A*
今回,写真の撮影に成功したのは,我々の住む天の川銀河の中心にあると思われる重要なブラックホールの影である。
(ようやく最初の写真の画像に戻ってこれた・・・)
降着円盤の性質から,撮影するのが難しく,前回撮影に成功したM87に比べると全体的にぼやけているのが分かるだろう。
このいて座A*を解析することで,天の川銀河の誕生や生成についてをより具体的に研究できるようになった。また,宇宙に存在するまだ説明できない現象について解き明かすためのきっかけにはなるだろう。