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RST

RST:リーディングスキルテスト

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①RST(リーディングスキルテスト)とは?

「日本語のルールに従って教科書の文章を読むことができない生徒がいるのではないか」という仮説からスタートした「基礎的な読む力」を測るテストです。また、文章に書かれている意味を正確にとらえ、新しい知識を身につける為に必要な力を科学的に測定・診断するテストです。

②本学園に導入した流れ

長年授業をしてきて、感じていたことが「読解力」を身につけさせるにはどのような方法があるだろう?と考えていました。特に、勉強が苦手な生徒に顕著に見受けられるのが、読解力が低いという事実です。その生徒達の立場に立って考えると、わからない文章を無理やり読まされ、わからないままに授業が進み、わからないままに話が終わる・・・。苦痛以外の何物でもないなぁと感じておりました。

そこで、出会った一冊の本が

「AI VS 教科書の読めない子供達」

です。私自身が感じていた、生徒達の読解力の低さは、本学園の問題だけではなく、全国規模だと知りました。この現状をなんとか打破しようと、著者である新井紀子氏がRST(リーディングスキルテスト)を作成されました。

このテストは文章を読む上で必要なスキルを6項目に分け、その力を数値で表してくれます。

今まで、「読解力」と言えば国語の現代文のテストだけで測られてきていたものであり、さらにそれは抽象的であったと思います。その為、生徒は自分が文章を読めているか?読めていないか?わからないのが現状でした。

人が成長する上で大切なのは自分を客観視する事だと思っています。その上で、このテストを実施すれば、自分の読解力をまずは把握できるのではないか?と思い導入しました。

③読解力をつける為の授業での取り組み

RSTはあくまでも自分の読解力を知るツールであり、読解力をつける為のものではありません。そこで、重要となるのが、客観的に力を知った上でそれをどう伸ばすか?勿論、その数値が低いからダメだ!とは一切いいません。入学前の事は何を言っても変わりませんので、これからの取り組みが大切です。著者である新井氏も特効薬的な物(これをすれば、必ず読解力があがります的な物)は今のところ無いと仰有っております。しかし、そのままでは何も変わらないので、私自身の実践をご紹介します。

(1)文章の読み方を無意識から意識に変える
子供から大人まで、ある一定の年齢を過ぎると一般的な文章(新聞、雑誌、教科書等)であれば読めている気になりますが、そこに落とし穴があります。文章を正確に読む力をつけるには、その意識から変えなくてはなりません。

(2)意識に変える為に文章を可視化する
無意識から意識に変える為に可視化するとは、文章に色をつける事です。昔から、重要な所には線を引け!と言われてきましたが、簡単に言えばあれです。

具体的には
     (ⅰ)指事語→黄色
     (ⅱ)接続詞→赤色
     (ⅲ)筆者の意見→緑色
     (ⅳ)具体例→青色     等です。

これをするだけで、見え方がだいぶ変わり。今まで何となくだったものが、色によって可視化され、意識せざるを得ない状況になります。はじめのうちは、(1)と(2)だけでも構いません。

接続詞に関して例を挙げると、教員が生徒を指導している最中、熱が入ると「だから!」と声を大きめにして言います。その会話の重要部分は「だから!」の前?それとも先か?勿論、「だから」の先に言いたい事があるわけです。文章も一緒で、接続詞(つまり、だから、しかし等)の後に書き手の言いたい事が来る可能性が高いのです。文章に色付けさせる事(目的をしっかりと伝えた上)で無意識から意識に変化します。後は、意識を繰り返し無意識に出来るようにする事が重要だと思います。

さらには、昨年度よりRST受講後の補助教材として、「論理エンジンOS1」を導入にし、文章を論理的に理解する力を養っています。

④RST導入の目的

「読解力」・「読む力」を付ける目的は何だ?と日々考え、出した結論が、「人生を楽しく充実した物にする為」です。もちろん高校ですから、その前の目標である、大学進学や専門学校、就職する為でもありますが、もっと壮大な目的を生徒には持ってもらいたいと思っています。以下に流れを説明します。

(1)文章を正確に読めるようにする
(2)文章を正確に理解する
(1)、(2)ここまでがインップット
(3)文章を理解し、自分の考えや思いを持つ
(4)自分の考えを持ち、それを発信する
(5)自分の考えを持ち、発信し、相手と対話をする
(6)対話(日常会話含め)により相手の意見や思い、相手が話している内容を理解する。

(1)~(6)の力が身に付けば、「人生楽しく生きる事が出来る」と思うのです。

ここで重要なのが、(1)、(2)の力が無ければ、主体的に発言や行動が出来ないという事です。簡単に言うと、インプット出来なければ、アウトプットは難しいよねって感じです。

それゃそうですよね?何も自分の中に情報が無ければ、意見や思いなんて持てるわけありません。そのまま大人になってしまうと、人に言われた事だけやる人間が育ってしまいます。

それだけは避けたいですし、生徒にも聞きます「一生、人から指示されるだけの仕事したい?」と。するとほぼ全員が首を横に振ります。やはり、その人生だとつまらないだろうなぁという想像は高校生でも出来ます。だったら、人生楽しく生きる為に、モノを知ろうよ!理解しようよ!勉強しようよ!読解力って大切だよね?って話をすると、9割方首を縦にふります。私自身、教員としてやりたい事をやらして貰って楽しいですし、充実もしています。まずは、身近な大人がその姿勢を見せる事が必要だとも思います。

⑤最後に

情報を正しく正確に処理する事によって、自分の中で色々な思いや意見が養われ、それを発信出来る人間になって貰いたい。そんな事を常日ごろ考えて生活しています。高校生活は通過点であり、その先には大学、専門学校への進学、または就職が待ち構えています。これからの社会は、受け身では非常に厳しい時代に突入しました。AIをはじめ様々な物がインターネットと繋がり、人間の労働力は奪われていきます。そんな時代だからこそ、読解力を磨き、さらには聞く力を伸ばし、自分で考える能力を持って未来を切り開いてほしいと思っております。

現在、リニューアル中のメディアセンターにて、昨日と本日に1学年全員へリーディングスキルテストを実施!

結果が出てから、しっかりと説明を受け、自分の能力をプラスにして行きましょう✨

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고마워!
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東京都千代田区神田の男子校、正則学園高等学校です。 2020年10月16日で創立124年を迎えた伝統校ですが、どんどん新しくて面白いことにチャレンジしています。