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『くらがりの 天地にひびく 花火哉』

トップ画像:愛媛県松山港まつり 三津浜花火大会

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「正則学園note花火リレー」ということで引き続き花火ネタを記していきたいと思います。

先ずは、冒頭の俳句は、愛媛県出身の俳人 正岡子規の作品。

『くらがりの 天地にひびく 花火哉(かな)』正岡子規

夜、暗い天地に花火の大きな音が響いている。。。と読み解ける哉(かな)と。
花火を色彩からではなく音で楽んでる様子を表現するあたりがさすがです。

そもそも花火は、秦の始皇帝が緊急通信用の狼煙(のろし)に黒色火薬を使ったことから始まり、その後、イスラム諸国からヨーロッパへと伝わったとされています。

のろしには、敵の攻撃、戦絡みの合図用の緊急連絡手段としての役割があり、原料には狼のフンが使われたことから「狼煙」となったとされています。

水分を多く含む狼のフンは赤っぽい煙、日数が経って乾燥した狼のフンは白い煙に、そして、落ち葉や朽木を使うと煙の色に変化を付けることができ、色の組合せや順序で、複数のメッセージを伝え、夜間には、火そのものが使われたりと、当時は最速の情報伝達ツールとして狼煙は使われました。

この狼煙ですが、炊き上げに時間がかかるのが難点で、黒色火薬(硝石)が次第に使われ、色彩、形、大きさ、音の要素が加わり花火が誕生したと考えられています。

世界の国々では花火はどのように楽しまれているのでしょうか。
イスラム諸国では、ラマダン明けのお祝いに、ヨーロッパでは、キリスト教や聖人に関するお祭りに。時期も様々で、中国では、お正月時期に。スウェーデンでは、年越しイベントに。アメリカでは、7月4日の独立記念日に。また、イタリアやスペインでは轟音を楽しむコンテストが存在するなど、それぞれ楽しみ方、花火が伝えるメッセージに違いがあることがわかります。

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スウェーデンの新年を祝う花火

昨年に続き今年も日本全国多くの花火大会が中止となりました。
日本の花火には、納涼に加え慰霊や疫病退散を目的とするところもあり、花火は現在も世界中で多くのメッセージを伝達する情報ツールであることがわかります。

 日本の花火には多くのメッセージが込められているからこそ花火大会の実施をとつい思ってしまいます。

全国の花火大会には、オンラインや無観客による実施を模索しているところが多くあるようです。

リアルに花火を見て楽しむことではなく、ステイホームで子規のように音を楽しむ。その音から思いを膨らませる。そんな年があってもいいのではと、期待してしまいます。

そして、何よりも来年こそは、コロナウィルスが終息し、日本全国の花火大会が開催されることを願っています。

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SDGs×正則

レインボー


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