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中秋の名月を振り返る

9月21日(火)は中秋の名月だった。

中秋の名月と呼ばれる十五夜の当日に月齢14.5日つまり満月になることは,2013年9月19日(木)以来8年ぶりであった。

ニュートン式の天体望遠鏡を用いて行った中秋の名月を振り返っていこうと思う。

望遠鏡のガイド合わせ

ニュートン式天体望遠鏡は,実際に天体の光を集める鏡筒という筒と

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この鏡筒よりも倍率が低く,ガイドとなるファインダーがついている。

ファインダー

天体観測を行うためには,このガイドであるファインダーの中心と鏡筒の中心を合わせておく必要がある。


実際にやってみた。


まず,ファインダーを目印となる物体(このときは高いビルの角にある航空障害灯を目印とした)に合わせる


ガイド合わせ

言葉で表すとたった一言で終わるが,これがなかなかに難しい。

天体望遠鏡の向きを変える方法は「赤緯微動ハンドル」「赤経微動ハンドル」「高度調節微動ネジ」という3種類の方法がある。

どのハンドル・ネジを動かし,望遠鏡が動く様子を覚え,合わせていく必要がある。

さらに厄介なのが,天体望遠鏡の特性である。

ニュートン式天体望遠鏡

鏡筒から見える像は「上下左右が全て逆さま」になった画像である。

見える像を左に動かしていきたいときは右に動かし,下に動かしたいときは上を向けなければならない。
理解していても,どうしても動かす方向を間違ってしまうものである。

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30分ほどの時間でスコープの中心と鏡筒の中心を合わせることができた。

観測開始

スコープと鏡筒の中心を合わせた写真から分かる通り,この時点での天気は曇りであった。

分厚い雲に覆われ,スコープは合わせたが,観測はできないかもしれない・・・。

地球照の観測と同じく,天候に恵まれずに終わってしまうのか。

天体観測を行うメンバーの頭に,最悪の結末がよぎった。







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神は見放さなかった。
屋上から月が観測できるようになるころには雲も消え,絶好の観測日和になるまで快復したのである。

いざ!観測

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A「天体観測をして、いつも視認してる月の速さより天体望遠鏡で見たときのほうが速く動いてるように思いました。
また、木星も天体望遠鏡で見ることができたのでよかったです。
他にも天体望遠鏡の合わせ方が難しかったけど楽しかったのです。」

B「雲が晴れてきれいに写真が撮れたのですごく綺麗で感動しました。普段そんな経験がない ので貴重な機会だなと思いました。また天体観測機を合わせるのが難しかったです。」

C「今年はクルードラゴンが帰還したこともあり学園で月を見られることを知り、見たいと思い参加しました。
見られるのか不安でしたが見ることができて良かったです。
中秋の名月はとても光輝いていました。
望遠鏡の使い方は難しかったですが良い勉強になりました。」

D「家に天体望遠鏡がないため、こういう月を間近で見るという経験がないためいい経験になりました。最初屋上に登った時は雲が多く見れないと思っていたのですが、途中から雲がなくなっていき、とてもいい環境で写真が取れたので、とても良かったです。」

天体観測に参加した4人の生徒の感想ですが,やはり望遠鏡の扱いが難しいようですね・・・

次の機会があれば,今度は月だけではなく,「大三角」や「ダイヤモンド」等の複数の1等星の観測や,惑星の観測,そして前回観測することのできなかった地球照について観測したいですね。

追記

今回,絶妙なタイミングで空が晴れ渡り,皆で中秋の名月を観測できたことは非常にラッキーであった。ラッキーセブンかというぐらいには,ラッキーだったのである。ん? ラッキーセブン? セブン・・・・・・

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