花いけのポスターを作ってみた
仕事の話は突然に
確か11月の話。
EMP先生「先生、こういうのあるから。花いけと書道でコラボしようよ」
渡されたのは千代田図書館主催の、「千代田区内中学校・高等学校展示」の募集のチラシ。
この企画は、今年度文化祭や大会が中止となり発表の場を失ってしまった部活動や団体に、その「場」を提供します、というもの。
本学園からは、テレビでも紹介されて注目を浴びている「花いけ男子」が取材を受け、展示をするとのこと。
なるほど、花いけ男子の活動風景の写真に「正則学園 花いけ男子」って筆書きで入れればいいのね?それでコラボってことね?
と解釈した私(教員H)。
(ちゃんとチラシはよく読んで、先方にも確認しなきゃダメ!)
取材日は冬休みの前だから、期末テストの後から書き始めよう。と思い、私はチラシをしまったのでした。
書道科(家)の仕事?
昨年末、期末テストの採点終了後、甲骨文字の記事の続きを書く合間に職員室の片隅で黙々と書き続ける「花いけ男子」の5文字。
書けない。
「花」の一文字は宋の四大家の一人、米芾(べいふつ)の書に見える草冠を真似て、何となく形が定まりつつあるけど、ひらがなの「いけ」2文字と「男子」の2文字が納得いかない。
最終奥義を使うしかない。
「スキャン!からの編集!!」(ずるい!)
一文字一文字の形が定まってきても、5文字で書いてみると「なんかここが違うんだよなぁ」というところが出てきて、なかなか完成が見えてこないんです。展覧会に出す自分の作品も、生徒の作品指導をしていても、「すごくいい!完成!」というものにはなかなか、というより、ほとんど出会えません。
写真の上に一発書きの揮毫というわけでもないので、ここは現代の文明の利器に頼ろうと決めたのでした。こうなると書道家の仕事ではなく、デザイナーや看板屋の仕事。「米芾の書から草冠を~」とか書道家らしいこと言ってたのに。
ゴミ箱行き予定の半紙の山から数枚選び出してスキャン。そしていい文字だけをトリミング。何通りも組み合わせを作り、その中で一番まとまりがいいものを選ぶわけですが、ポスター上で改行が発生するならまとまりよりもインパクト重視かな。かっこよさ重視かな。なんてまた悩み始めて……。
最終的には周りの先生方の意見も聞きながら決まりました。
5文字のまとまりよりも「花いけ」と「男子」のイメージを優先した結果
EMP先生から渡された花いけ男子の写真を加工して、その上に重ねてみる。
透過処理、写真の色の調節、文字の配置換え……。
お、なんかかっこよくなってきたぞ?(自画自賛)
今年の学校パンフレット(プロの仕事)を横に置きながら、イメージの統一感を意識して……。
お、いいんじゃない!?(自画自賛)
一発書きのポスター作りは何度もやってきましたが、こういうものは初めてで、いろんな学びがありました。デザイナーの友達は毎日こういうことやってるんだな、と改めて尊敬したのでした。
あ、こういうことではない?
千代田図書館の方が取材に来られたのは、ちょうど下剋上が行われた校内バトルの時でしたね。(過去記事をチェック!)
その時に、出力した縮小版をお見せしたところ、「むむむ」の表情。
(あ、こういうことじゃないのか。)
チラシはよく読まなきゃダメ!
そう、求められていたのは「作品」の写真。
そうかー。むむむ。
「いや、でも、これも……」
千代田図書館のT様も、このポスターを「コラボ作品」ということで首を縦に振ってくださいました!
ありがとうございます!(なんやかんや完成まで3日くらいかかったものが無駄にならなくて済む!!)
この後、年明けの搬入や「もう一枚の作品」にもいろいろあったのですが、また長くなるので割愛。「もう一枚の作品」はいずれ校内に掲示する予定です。
ということで、正則学園花いけ男子と書のコラボ展示は千代田図書館にて下記日程で展示されています。
展示「千代田区内中学校・高等学校展示 in 千代田図書館」
正則学園高等学校 花いけ男子×書道
【展示期間】 開催中~2021年1月31日(日曜日)
休館日:1月23日(土曜日)~25日(月曜日)
【展示場所】 千代田図書館9階=第2展示ウォール
展示開始の翌日、さっそく図書館のブログにも掲載してくださいました。(しっかり名前も顔も出てます!笑)
千代田図書館読書振興センターの皆様ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。
作品展示
作品として飾られている写真たちです。今後作品の撮り方も勉強していかなくちゃいけないなぁ。背景とか画角とか照明とか、展示となると気になることがたくさん。
生徒の中にも写真好きがたくさんいるはず。ぜひ教員Hに教えて!
【1月23日追記】
図書館担当者様から展示の様子の写真をいただきました!ありがとうございます!!