数学屋さんの数学小話 ~降誕~
初めましての方は初めまして!前回の記事を見てくれた方はお久しぶりです!正則学園の数学屋さんことHN.つるぎ先生です!
そこでですが、またまたわたくしがですが
今回は「数学が誕生する話」について話していきますので、カフェオレとマルチビタミンを片手にお付き合いください。わたくしの毎朝のルーティン☕覚えておいてください!まだまだ正則学園には多くのキャラクター先生達がいますので(笑) ではLet’s Start💨 (このフレーズも覚えてもらえたら)
前回は、数学が誕生する以前の話をしました。そして今回はとうとう数学が誕生します!
~異世界転生!?ユークリッドの登場~
紀元前300年頃、最初の数学である幾何学(三角形や角度などの図形に関わる数学)を誕生させたのが、アレクサンドリアの数学者ユークリッドです!
ユークリッド
この人の何がすごいかと言うと、小学校や中学校で習う数学の図形分野のルールをたった一人でまとめ上げたところです!
ユークリッドが書き上げた数学書「原論(ストイケイア)」を見てみましょう。
ΣΤΟΙΧΕΙΑ :ストイケイア
めちゃくちゃ脱線したので、Let’s Start💨(2回目)
~ストイケイアの中身①~
公準とは、幾何学を作る上で最低限必要なルールのことで、今まで習慣として使っていたが、何が最低限必要なのかをまとめたものです。
よくよく思い出してみると、小学校のころ、算数の授業で図を描くとき一番最初に習ったのがこれらですよね?そうなんです、このユークリッドが作った5つの公準は2000年以上たってもブレない幾何学を習ううえで絶対に必要なことなのです。
まさに幾何学の開拓者!これがユークリッドが幾何学の父と言われる所以です。ユークリッドがこの公準をまとめ上げたことによって、「学問的な幾何学」が発展していくことになります。
~ストイケイアの中身②~
これだけでも十分にすごいのですが、他にも原論(ストイケイア)には次のようなものも書いてありました。
公理とは、習慣として分かっているが証明ができないことを指します。この公理の1~6はこのように書き換えることができます。
そうなんです、ユークリッドは幾何学だけでなく代数学(計算数学と論証)の基礎も作っているのです!しかもこれらの公理はすべて「幾何学を用いてまとめたもの」と言われています。文字を使った式で表されるようになるのは、ここから1000年以上あと西暦800年頃になりますが、その話はまた後日することとしましょう・・・。
さらに!この代数学的な考え方を発展させたのが高校1年の数学A「整数の性質」で習うユークリッドの互除法です!
こんな複雑なことも古代ギリシャで出来ていたんですね・・・。このユークリッドの互除法は「明示的に記された最古のアルゴリズム」と言われていて、現代でも暗号を作る際に使われていたりします。
ユークリッドの最大の功績は幾何学の体系化、つまりルールをまとめ上げたことにありますが、それ以外にも代数学や暗号など現代でも使われていることを作り上げてしまったところも注目ですね。(どうやってこの発想に至ったのでしょう?現代から異世界転生しました~のほうが納得がいきそうです・・・。)
ちなみにこの「原論(ストイケイア)」は1900年代前半まで教科書として使われていたそうで、世界で二番目に売れた本と言われています。(世界で一番売れた本は「The Book」です)
~数学の天才たち~
ユークリッドが幾何学を誕生させたことによって、ヨーロッパや古代エジプト各地で数学が盛んに学ばれるようになります。また、「数学を扱える=頭が良い」というイメージがとても強かったので、政治への参入や技術革新など国としても重要人物として扱われるようになります。
次回はそんな「周りの目なんて気にしない古代数学の天才たち」を紹介します!数学が好きな人も、数学に少しでも興味が沸いた人も、また見てくださいね!
もしよければこちらもカフェオレとマルチビタミンを片手にどうぞ☕