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運転士さんが操作していないのに電車が動いた理由

ついこの前、午前授業で学校が早く終わった日のこと…。

いつも通り、帰りの電車を待ってたんです。

すると、

「試運転電車がまいります」


 
というアナウンスが。


みなさん初めまして!機関誌編集委員のSです。

この「試運転」という言葉。色々な意味があるのですが、みなさんは知っていますか?

車両基地などで車両に異常がないか点検したあとや、部品を交換したあとにきちんと走れるかを検査するため

というやつ。

ほかにも、運転士さんの訓練だったり、新車の場合は走行に異常がないかを確かめるなんて意味があります。

話は戻りますが… 

そのとき、僕の目の前にやってきた試運転電車の運転席が見えたとき、運転士さんとみられる人たちが4、5人乗っていたので、

「これは訓練っぽいな」

と思っていたのですが、
 
電車が発車するときに違和感を覚えました…。
 
それは、
 
電車を操作する「マスコンハンドル」を運転士さんが握っていなかった
ことなんです。


「マスコンハンドル」(ITmediaより)

マスコンハンドル」とは、写真真ん中の「シルバーのレバー」で、電車の操縦を行うものです!

颯爽と電車は次の駅に向かって走っていきました。

運転士さんは何も操作していないのに!!

これは電車が故障しているのか?


 もしそうだとしたら大惨事、いやそれ以上では!?

そんなことがあったらネットニュースやテレビなりで我々のもとに届いてるはず!!

…。でもそんな事はありませんでした。

ニュースにもなってないですし、今日もその電車は元気に走っています。

では、

なぜその試運転電車は勝手に動いたのでしょうか?

それにはきちんとした理由があったのです。

それは、

電車の自動運転装置(ATO)の試験をしていたからなんです!

この「ATO」(エーティーオーと読みます)という装置、聞き馴染みのない方がほとんどだと思いますが、実はこれ、今地下鉄などを中心に導入する路線が急増しているんです。

「マスコンハンドル」を握らず、運転している様子(読売新聞オンラインより)

運転士さんがボタンを押すと次の駅までの、加速、減速、停車という一連の流れを自動でやってくれるハイテクマシンなのです!
 
(もしかしたら気づいていないだけで、あなたが使う電車も既に自動化されているかも…!)
 
僕があのとき見た運転士さんが何も操作していない(実際にはボタンを押していた)試運転電車も、ATOの導入に向けての試験を行っていたというわけなんですね…。
 

このATOを導入することでなにができるようになるか?
 

それは、ワンマン運転の実施による人件費の削減です。
 
運転士さんの「運転」という作業を自動化したことで、これまで電車の一番後ろの車両にいた車掌さんの仕事である「ドアの開け閉め」や、「空調の調節」「アナウンス」などの業務を最前列の車両の運転士さんに回すことで、一つの電車に必要な乗務員の数を二人から一人に減らす(つまり車掌を無くす)、ワンマン運転が可能になるのです。
 
実際に僕が利用している路線(ATOの試験をしていた路線)も、将来的なワンマン運転が計画されています。

時代とともに技術も進化していく」なんて言いますが、

今後、このATOが進化して電車の全てを自動化してくれるなんてことがあれば、

男の人なら誰でも一度は憧れた(であろう)「電車の運転士」という職業も消えてしまうのでしょうね…。

(それはそれで寂しいと思いますが…)
 
…いい感じにオチた(と思う)ので今回はこの辺で。
 
それでは👋
ドロンッ…☁


※サムネイル参照元「2nd-train」

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