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もう季節は冬ですが「芸術の秋」の話

秋も終わりを迎え、もう冬ですね。街もクリスマスムードが徐々に広がってきました。

みなさん、今年の秋はどのように過ごされましたか?

よく「食欲の秋」とか「スポーツの秋」とか「読書の秋」と言われますが、正則学園高校は「芸術の秋」を味わいました。


もう2週間も前になってしまいましたが(記事を書くのが遅い!!)

11月12日木曜日、芸術鑑賞会が行われました。

正則学園の芸術鑑賞会は毎年全員で劇団四季に行きます。

男子高校生の学校行事でミュージカル鑑賞というのは、保護者の皆さんからも、また私の同級生や知り合いからもビックリされますし、また羨ましがられます。

私もここで働き始めて最初聞いた時はビックリしました。

1年生は『ライオンキング』

2年生は『アラジン』

3年生は『オペラ座の怪人』。

生徒にとっても馴染みのあるタイトルですが、ミュージカルとなるとちょっぴり敷居を高く感じてしまうのでしょうか。観たことがあるという生徒はまばら。

去年、一昨年と経験している3年生に聞いてみても、「おもしろかった」という感想の中に「いきなり歌い始めてついていけない」とか「情報量が多すぎて圧倒されて終わってしまう」という感想がチラホラ。

これじゃいかん!もったいない!と立ち上がってみたのが、別記事で甲骨文字の話もしている芸術科書道の教員H

芸術鑑賞会の3日前の月曜日、1年生の前で

「芸術って敷居が高くないんだよ」「いいなー、すごいなーって思ったらそれでいいよ」「自分の興味が向くところを楽しめばいいよ」

と、ハードルを低くする話をしてきました。

芸術って2

使ったスライドの一部

芸術に対する意識なんてバラバラなのが当たり前。芸術なんて全く興味ないよという人もいます。

ただ、みんな美意識は持ってるはずなんです。

机の周りを片付ける、丁寧な言葉遣いをする、服装に気を遣う、髪型を整える。どんな形であれ、全員が普段の行動の中に美意識を発揮しているはずです。(教員Hの個人的な見解です)

そんな美意識を育む機会が今回の芸術鑑賞会。ただミュージカルを観劇してくるだけではなく、学びの目をもって観ればさらなる成長があるはずなんです!

演者さんたちの指先まで神経の行き届いた動き、作品の世界観をより効果的に表現する音楽や照明、細かいところまで工夫された大道具や小道具。そして丁寧に清められた会場づくり。

会場に入ってから出るまでの間、ずっと「美」に囲まれているわけですよ。書き切れないほどの無数の「美」! その「美」を生み出す「丁寧な」仕事!

私は毎年、担当した3年生の最後の授業でこの「丁寧」について語っています。書道の時間でプリントのなぞり学習を行うときも、「最後まで終わらなくてもいいから一筆一筆を丁寧に」が口癖のようになっています。

今後社会に出て、どういった形であれ「何かを生産して、提供する」側になるはずです。

その仕事の価値を高めるためにはやはり「丁寧さ」が大事だと思うのです。そこから生まれる「美」を、人は「いいな」と思って、「また利用したいな」「また来たいな」「また会いたいな」「また…」とつながる。と、教員Hは思うのです。

芸術はよくわからないと思っていても、日常の「いいな」は自然と感じ取って過ごしているはずです。高校生も、あと数年経てば消費者から生産者になって、「いいな」と思ってもらえる仕事をする立場になります。

芸術鑑賞会を通して、全員がそのことに気付けるかと言ったら難しいかもしれませんが、将来のことをほんの少しでも考えてくれるきっかけになっていてくれたらうれしいです。


ちなみに、今年の芸術鑑賞会の当日、私は所属している書道グループの展覧会の搬入日と重なり、行っていないのです!!!『アラジン』観たかったぁあああ!!!(先ほどの熱く語っていた時の感想部分は、昨年『ライオンキング』を観に行った時の感想です。)

何度観ても、毎回違って毎回楽しめるのがライブ公演の醍醐味だと思います。みなさんも是非、敷居の高さとか感じずに足を運んでみてくださいね。



付け足しコラム

「スポーツの秋」と言われるようになったのは、1964年10月10日に東京オリンピックの開会式が行われ、1966年から10月10日が「体育の日」に制定されたのがきっかけだそうです。

では「芸術の秋」は?

この言葉は、1918年発行の雑誌『新潮』の中で、「美術の秋」という記載があったことが由来とされています。秋には日展、二科展、院展といった大きな美術展が続々と開催されます。こうしたことからも「芸術の秋」という言葉が広まったようです。

教員Hも日展の第五科・書に篆刻(てんこく)作品を出しています。2018年の改組・新・第五回日展で初入選して以来、落選が続いていますが、来年までまた一年頑張ります。(日展は入選率約1割の狭き門なのです。)

また書道や芸術について記事を書くと思いますので、篆刻についてもその時に(熱く)お話しさせていただきますね。ではまた!