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ドア飾りにおける文化史的共通性に関する一考察?のような何か(仮)

どうもこんにちは、先日EMP先生と一緒に節分ポスターを校内に貼って回った際、全く何も指摘されていないのに、「いゃこれ両面テープが尽きるときにポトッって落ちちゃって、こうなっちゃったんですよ」と謎の言い訳を口走ってしまったABCです。とっさに出るモンなんですね・・・。

さてさて。
ということで、2月3日は節分でしたね。

冒頭の節分ポスターとは、コレ👇のことなのですが。

お正月に引き続き、昨年の使い回しリニューアルバージョンとなっております!

リニューアルした部分は、「& SEISOKU GAKUEN」のロゴと、「柊鰯(ひいらぎいわし)」の追加ですね!(あと何気に雲も修正しています)

ロゴの位置を変えたことにより、「おたふく」の上のスペースが空いてしまったので、何かないかなということで、柊鰯を入れたんですね。

節分の日に、鰯の頭を刺した柊を玄関に飾るという文化。
そういう文化が存在するということ自体は、知識としてはなんとなく知っていたのですが、実際に柊鰯を見たことってないんですよね。うちの実家にはそういう風習はなかったですし、近所でも見かけた記憶がないです。

ということで、今回ポスターに入れるに当たり、柊鰯について軽く調べてみたんですね。すごくざっくりいうと、あれは「魔除け・厄除け」という意味合いなんですってね。

日本で、しかも節分の日に、来てほしくない、あるいは追い払いたい存在といえば、ですよね👹

焼いた鰯の強烈な臭いで鬼を遠ざけ、それでもやって来てしまう鬼は、柊の棘で目を刺すのだそうな😨
(むしろ鬼は鰯の臭いが好きで、おびき寄せられたところを柊の棘で刺す、という見解もあるらしい。)

この柊鰯、古くは平安時代紀貫之の書いた『土佐日記』にも、似たような描写が出てくるのだそうな。

『土佐日記』
紀貫之が土佐国(現在の高知県)での国司の任を終え、京都へ帰る際の道中の様子を綴った紀行文。最初の「かな日記(風文学?)」とされる。

気になったので調べてみると、承平5年(935年)の元日、大湊(高知県南国市前浜?)滞在中の描写の中にそれらしき部分がありました。

けふは都のみぞ思ひやらるる。小家の門のしりくべなはの鯔の頭、ひひらぎらいかにぞ(今日は都のことばかりが思いやられる。小家の門のしめ縄のぼらの頭、柊などはどのようであろう)」

いわしではなくぼらだったらしいという違いはありますが、とはいえそっくりですし、たぶん同じ意味合いのものですよね。

ただ、この記述は元日の様子ですし、この直前の部分でも、「土佐国には正月用品もない」というようなことを書いているようなので(だからこそ、いっそう都に思いを馳せてしまうのでしょうね)、元来は節分飾りではなく正月飾りだったのかもしれませんね。

魔除け・厄除けとしてのドア飾り

さて、柊鰯の話が膨らんでしまいましたが、魔除け・厄除けとしてのドア飾り(玄関飾り)という点で、思い出したのが「出エジプト」だったんですよね。

紀元前13世紀、エジプト新王国のファラオ(王)による圧政のもとで虐げられていたヘブライ人(自称はイスラエル人、後にいうユダヤ人)は、預言者モーセに率いられて、エジプトを脱出し、故地であるパレスチナへ帰還しました。これが「出エジプト」ですね。

このときモーセが、エジプト軍の追手から逃れるために「海を割った」のは有名な話

なぜ、魔除け・厄除けとしてのドア飾り(玄関飾り)でこの「出エジプト」を思い出すのかというとですね。

神からヘブライ人を率いてエジプトを脱出するようにと命じられたモーセはファラオと交渉し、その交渉が決裂すると、「ナイル川が血に染まる」など、十の災いが次々とエジプトを襲ったらしいんですね。

9つの災いにもめげなかったエジプトに対し、神が下した10番目の災いは、「人から家畜に至るまで、あらゆる長子が死ぬ」というものでした。

これだとエジプトにいたヘブライ人の長子も死んでしまいそうなものですが、事前に神より、「玄関に仔羊の血を塗ってある家は災いを受けないようにするから、ヘブライ人はみんな玄関に仔羊の血を塗っておきなさい」と指示があったので、ヘブライ人はみんなこれに従って難を逃れ、エジプト人が参っているうちに脱出を試みたのだとか。

ヘブライ人にとっては、災いが自分たちに降り注ぐことなく、「過ぎ越して」いったので、これを記念する祭りを「過越の祭」(英語でPassover)といいます。

さて。
ドア飾りとは程遠い話だったかもしれませんが、玄関に印を付けておくことで災厄を回避するという点では、なんとなく共通しているような気がしませんかね???🤔

さらに調べてみると、なんとクリスマスリースにも魔除けという意味があるのだとか

👆は「花キューピット」のサイト。「柊鰯」の話も出ていますね😉

さらにさらに。
スワッグ」ってご存知ですかね?(僕は「あつ森」で知ったのですが・・・)

すごく簡単にいうと、「ドライフラワーの花束を逆さ吊りにした壁飾り」ぐらいに理解してるのですが、あってるのかな。

壁飾りドア飾りとではもう違うかもしれませんが、これも一説によると、やはり「魔除け」とか「福を呼ぶ」とかいう意味があるんだとかないんだとか!?

これも一種のスワッグ?

すごく詳しい歴史的解説はコチラ👇以降のページに。

スワッグガーランドリース
このあたりはどうも同じ歴史的経緯の上で現れたもののようなので(たぶん)、その意味合いが似てくるのもうなずけるのかもしれませんね👍

さらにさらにさらに言うと、上の方の『土佐日記』の話では「しめ縄」も出てきましたが、これも年神様をお迎えするにあたって、「ここは神聖で清められた神の領域だから」ということを示す境界線のような意味合いがあるのだとかないのだとか。

であるとすれば、やはりそこからは、「邪」なものは立ち入れませんよ、ということなのだろうな、という気がします。

さて、ということで。
いろいろと書いてきましたが、やはりドアというか玄関というか、「出入り口」に何かを飾ることには、得てして「悪いものを入れない」という意味合いがあるような気がしてきますよね!??

いやまあ、全部が全部ではないかもしれませんが。

そんな感じで、古今東西を問わず、何らかの文化的事象や現象に「共通点らしきもの」を見つけたら、ぜひ探究してみましょう。

もしかしたら、今まで考えたこともなかったような「発見」と出会えるかもしれませんね ♪

皆さんも、気になったらぜひ。それでは au revoir~✋