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世界史を「表現する」というマナビ方。みたいなお話。

どうもこんにちは、ABCです。

本学園の note ですが、どんどんマガジンが増えておりますw
その数、現時点で実に19!!しかも本学園の記事しか登録してないにもかかわらず、ですよ。そんなに記事数があるのかって話ですが、あるんですねぇ~、これが。なにしろ430日以上連続投稿中ですからね!w

ということで、私ABCも、しれっとマガジンを2つ新設しちゃいましたww

ほぼ趣味ですねwww

下のものは、もっと早くからあってもよかったと思うのですが、「そういえば歴史関係をまとめたマガジンってないな」と気付いたのがつい最近だったので、先程しれっと作成しておきましたw

ここで特に見てほしいのは「マガジン画像」なんですが、マガジン画像ってなかなか全体像が見れないですし、見れても小さかったりしますよね。

なので見て見て。ホントはこんな感じ👇で作ってます。

画像1
下の記事👇でも多用した、「フライトマップ」風にしてみました。

好きなんですよねー、フライトマップ。思ってた以上にフライトマップっぽくなったと思うのですが、いかがでしょ。

しかも世界の主要都市というよりは、世界史に出てきそうな場所を、ゴチャっとしすぎない程度に多めに入れてみました。

自分でもなぜなのかわかりませんが、自分が高校生だった頃から、世界史に対して、このような美しい世界(史)地図を俯瞰し、飛行機✈で駆け巡るような脳内イメージを持っていました。

たぶん当時好きだった「ファイナルファンタジーⅦインターナショナル」の特典ディスクに収録されていたワールドマップ機能の影響だと思うんですけどね。同時期にハマったり考えたりしていた、全く関係ない事柄が頭の中で謎に関連付けられてしまうことってありますよね??

え? ない? まじか・・・。

それはさておくとして、世界史を楽しむ「」はですね。「想像力」だと思うんですよね。世界の歴史(というか暮らしや営み)を巡る脳内バーチャルツアーですよ。そう思うとなんだかちょっとワクワクしてきませんかw

世界史を「表現する」というマナビ方

さて話は変わりまして。
本学園は今、冬期講習期間真っ只中です。

ABCは既に進路の決まった3年生の講習を担当しているのですが(よく受講してくれています)、であれば、いつもの授業ではなかなかできないことをやってみようかなと思いまして。

個人的に設定した今回の講習のテーマは、世界史について自分で調べ、自分で考え、表現するということ。それすなわち  STEAM &HIS・・・ 探究活動ってことですね ❣

特にこの「表現する」ということ、すなわちアウトプットしてみることの大切さについては、コチラの記事sきじたち👇でも触れています。

(ちなみに、冒頭のフライトマップも、「何にでも歴史はあるじゃない!」マガジン自体も、ある種の世界史表現なのではないかと・・・)

さらに受講生にとっては、大量のレポートやゼミでのレジュメ作成、そして卒業論文など、これから始まる大学生活の中でもきっと役立つのではないかと。

とはいえ、いきなり世界史探究を楽しもうと言われても、何か課題なり方法論なりがないと、何をどう探究したらいいものやら・・・ってなりそうなものですね。

最高峰に挑んでみよう

やはりある程度は教員の側で準備しておく必要があって、今回の講習では、手を変え品を変えいろいろなやり方を試してみていますが、その中のひとつとして取り組んだのがコチラ👇

👆は「光文社新書」さんの公式 note で、今年6月に出版された福村国春さんの『夢中になる東大世界史―15の良問に学ぶ世界の成り立ち』の紹介記事なんですが、なんと一章分がまるごと全文公開されています!(その後ABCも思わず買っちゃいましたw)

本書の内容は、あの東京大学の世界史論述問題に今まさに挑んでいる高校生が、納得の行く解答を完成させるまでの様子を描くドキュメンタリー風なものとなっています。

note で公開されている章のテーマは、「帝国主義」。

問題文をざっくりと要約すると、「1850年ころから70年代にかけて、日本を含む諸地域がどのようにパクス・ブリタニカ(※)に組み込まれ、また対抗したのかについて、9つの指定語句を用い、540文字以内で論述せよ」というような感じですかね。

パクス=ブリタニカ
19世紀半ばを中心とした、イギリスが圧倒的な経済力と軍事力を持っていたことを指すことば。「パクス=ロマーナ」にならったラテン語で、「イギリスの平和」の意。

全国歴史教育研究協議会編『世界史用語集』山川出版社、2014年

本文中では、この問題に取り組んでいる高校生の京子が、何度も壁にぶち当たりながら、世界史講師の宮下先生に導かれ、途中途中で「なるほど、そう考えればいいのか💡」というような「気付き」や「発見」をしていき、最終的に540文字ジャストで内容的にも過不足のない解答を完成させています。

さすが東大、試験問題の解答でさえも一種のワークで、そこに「学び」を埋め込んであるんですね。

ということで、僕たちもこれをやってみよう!

というわけです。

やってみた

とはいえ、ただ問題文を渡して「さぁやってみよう」と言ったところで、そう簡単にできるものでもありませんよね💦

そこで、京子の手法考え方、「気付き」や「発見」等を追体験することで、最終的には自分なりの言葉で「表現」してみよう、というスタイルをとることとしました。もちろん、「ネタバレになるから光文社新書さんの note 記事は見ないでやろうね」という条件を付けて。

ちなみにこのときABCは、僭越ながら宮下先生役です・・・w

さて、はじめに京子は、9つの指定語句と関連する国や地域を挙げていますので、僕たちもまずはそこから始めてみましょう。ちなみに9つの指定語句とは、以下です。

インド大反乱 クリミア戦争 江華島事件 総理衙門 第1回万国博覧会 日米修好通商条約 ビスマルク ミドハト憲法 綿花プランテーション

それぞれどの国や地域と関連しているか、わかります?

生徒がやってみてくれた結果がコチラ👇

Aくん
Bくん

👆 どちらもしっかりと把握できています!

続いて、論述するための準備として「構成メモ」を作成していきます!

問われているのは、「1850年ころから70年代にかけて、日本を含む諸地域がどのようにパクス・ブリタニカに組み込まれ、また対抗したのか」ということですからね。今挙げてくれた国々が、「どう組み込まれ、どう対抗したのか」を具体的に考えていきます。すると・・・

京子が最初につまづいたところを、早速追体験することとなりました。
「パクス・ブリタニカに組み込まれ、対抗した」っぽい語句が、「インド大反乱」ぐらいしかないのです。

京子は問題文中の「日本を含む」という文言から自力で解決法を導き出していますが、この解釈に辿り着くのはなかなか難しいですね💦

なのでこちらから少しずつ考え方のヒントを出しながら、生徒にはそれを手がかりにしながら自ら考え、理解を深めていってもらえるようにしました。
その結果、アジアの4カ国(インド、中国、オスマン帝国、日本)については、それぞれどのような意味でパクス・ブリタニカに組み込まれ、対抗したのかに辿り着くことができました。

ここで、京子の2つ目の「つまづき」がやってきます。
指定語句にある、ドイツ帝国初代宰相「ビスマルク」ですね。

オットー・フォン・ビスマルク

ビスマルクといえばドイツ帝国、ドイツ帝国といえばビスマルクみたいなところがあるわけですが、ヨーロッパの大国であるドイツ帝国が、パクス・ブリタニカに組み込まれ対抗したとは、これ如何に??

ここでも京子は、(「日米修好通商条約」という語句からアメリカを導き出したのか、)問題文中の「70年代」というキーワードから、当時のアメリカで第2次産業革命が進行中であったことに気付き(すげぇ!)、その結果、工業力においてイギリスを凌駕したという点で、ドイツと共通しているという結論に辿り着いています Σ(゜o゜;

ただこれも、自力で辿り着けというには難しいので、考え方のヒントを出しながらいきます。その結果、先程のメモに、こんな項目👇が付け加えられました。

Aくん
Bくん

アメリカとドイツで第2次産業革命が起こったのは、ともに保護関税政策を採り、国内産業を成長させたからですが、どのような背景で両国ともに保護関税政策を採るようになったのかも、ちゃんと盛り込まれていますね。

ここまで来たら、いよいよ「構成メモ」の作成に入っていきます!
実際に生徒が作った構成メモがコチラ👇!

Aくん
Bくん

まとめ方のスタイルはそれぞれながら、各国がどのようにパクス・ブリタニカに組み込まれ、そして対抗したのかのポイントがきちんと抑えられていますね👍

しかも京子が見落としていた「ロシア」は、僕が言わなくても初めから入っていました ❣(まぁ、京子が見落とした理由もなんとなくわかるんですけどね・・・w)

さあここまで来たら、あとは文章化するだけですね ❣
彼らが一生懸命「表現」してくれた文章がコチラ👇❣❣

Aくん
「パクス・ブリタニカに組み込まれ、それに対抗する」という概念の意味の広さと、実際に各国がどのような意味で対抗したのかがきちんと理解できています。惜しむらくは、パクス・ブリタニカの主役ともいえるイギリスに関する記述を忘れたことで、「第1回万国博覧会」という指定語句を使いそびれたことですね (>_<)
Bくん
こちらも「組み込まれ」や「対抗」の意味については理解できていますが、少々長文すぎますね (>_<)💦 本人も後で不要な部分に赤カッコを追記していますが、不必要な文言を極力排除し、過不足のない文章を心がけることも論述のコツなのかもしれませんね。

ものの考え方や、文章の上手さ、自分の理解を確実に伝える上での情報の過不足など、今回の取り組みを通して見えてきた課題もあるにはありますが、でも結果的にあの東大の論述問題をやってのけたのだから、すごくないですか👏

生徒たちも、こんなに時間をかけて綿密に考え、意味を分析・整理し、詳細な世界史の文章を書いたことって、なかなかなかったのではないでしょうか。そしてさすがにこれだけやると、「やたらこの時代に詳しくなったような気がする」というようなことも言っていましたw
ぜひこの経験を何かの弾みにしてもらいたいと思います。

ということで、国内最高峰に挑んでみようのコーナーでしたw

ちなみに

コチラ👇は今回の冬期講習におけるまた別の取り組みですが・・・

世界史の講習に白地図と色鉛筆…は、わかるとして、ハサミとノリ?
世界史でも「マナビをアソビつくそう」 ♪


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